← 前の記事へ | メインページへ | 次の記事へ →

2010年10月10日 「花巻の四季」

 またまたブログ更新が滞っていましたが、下記の楽譜とその演奏ファイルを作っているうちに時間がかかってしまいました。本日、やっと完成しました。

 下根子桜の羅須地人協会跡、現在は賢治詩碑が立っている広場の近くに、「桜地人館」という小さな展示館があります。賢治の晩年の主治医を務め、伝記『宮沢賢治 ―素顔のわが友―』の著者でもある佐藤隆房氏が開設した文学館・美術館で、宮澤賢治、高村光太郎、萬鉄五郎、船越保武の作品や遺品が展示されています。昔は、「佐藤郷志館」という名前でした。来館者もさほど多くはなく、いつも静かな雰囲気です。
 賢治詩碑を訪ねた後に、ここで一休みするのも、なかなかいいものです。

桜地人館

 この桜地人館の展示物の一つに、1936年(昭和11年)11月23日に行われた詩碑除幕式の模様を撮影した映像があります。ビデオデッキに繋がれたTVがあって、スイッチを入れると白黒の古い映像が見られるようになっているのです。
 昔の記録映画によくあるような、ちょっと早回しみたいなせかせかした動きで、宮澤政次郎、イチ、清六各氏が参集者に挨拶したりしている様子や、草野心平氏など式のために駆けつけた人々の姿もあり、この映像そのものも非常に貴重なものです。加えて、私にとってもう一つ印象的なのは、この映像のバックに流れている「花巻の四季」という歌です。
 これはピアノ伴奏つきの女声合唱なのですが、花巻を訪れる旅行者にとっては、これが何かとても心にしみるものがあるんですね。
 題名のとおり、花巻の春夏秋冬が取りあげられていて、春は「胡四王山」、夏は「豊沢川」、秋は「高村山荘」、冬は「賢治詩碑」がテーマとなっており、それぞれ賢治とのゆかりも感じさせます。

 今年の夏に桜地人館に行った折りに、私はこの歌を ICレコーダーに録音してきたので、先週からそれを楽譜に書きとって、さらにDTM作業によって合唱とピアノ伴奏を作成してみました。
 この歌が、他の場所で歌われているのを私は耳にしたことはありませんが、私としては、なぜ現代の花巻にこれはもっと広く歌い継がれていないのだろうかと、不思議になるくらい素敵な歌です。
 ぜひ、ご一聴ください。

♪ 「花巻の四季」 MP3: 3.05MB

     花巻の四季
                              詞: 佐藤 進
                              曲: 斎藤 明
一、若きふたりが 登りゆく
   胡四王山には かたくりの
   乱れ咲きたり 紫に
   あゝ 花巻 花巻 春浅し
胡四王山(と早池峰山)

二、風になびかせ 黒髪を
   そぞろ歩きし 豊沢の
   川原に河鹿 鳴ききそう
   あゝ 花巻 花巻 夏来たる
豊沢川の上流

三、高村山荘 訪う人の
   榛の木ばやし 過ぎゆけり
   山口山に 紅葉して
   あゝ 花巻 花巻 秋深し
高村山荘

四、賢治の詩碑に 雪積みて
   雉の足跡 そこここと
   北上川は 凍てつけり
   あゝ 花巻 花巻 冬迎う
雪の賢治詩碑

【使用音源】
 Soprano: 初音ミク(Miku Append: SOFT)+ Meiko
 Alto: 巡音ルカ + Meiko
 Piano: Garritan Steinway Virtual Concert Grand Basic

written by hamagaki : カテゴリー「雑記

トラックバック




コメント



ふたりで聴いております。
しずかないい気持ち。
「おおいいじゃん♪」とガハク。

歌詞と並んだ4つの写真はご自身で
フォーシーズン訪れて写されたんでしょ。

楽譜おこしも
音つくりも花巻への愛ですねえ。

やさしい日曜日になりました。

投稿者 kyoちゃん : 2010年10月10日 19:11

 kyo さん、ガハクさん、さっそくお聴きいただいてありがとうございます。

 四枚の写真は、残念ながらきちんと「フォーシーズン」とまではなってないんです。これまでに撮った写真の中から、歌詞にそれなりに合うのを選びました。参考程度になればと・・・。

 でも、お二人のやさしい日曜日の一助となったのでしたら、演奏を作った甲斐がありました(^_^)。

投稿者 hamagaki : 2010年10月10日 19:21

私が初めて花巻に行った時にはまだ「佐藤郷志館」と呼ばれていたような気がしますが、中でそんな貴重なVTRを見た記憶がないのです。見過ごしてしまったのかもしれません。(>_ それにしても…

ああ、花巻 花巻…

なんて優しい歌なんでしょうか。
行きたいなぁ…。
歌を聴きながら写真を見ていたら涙が出てしまいました。

このような素晴らしい歌が埋もれていたなんて…。
hamagakiさんが取り上げてくださったのをきっかけに
ぜひ歌い継がれたらいいのになぁと思います。

投稿者 signaless : 2010年10月10日 20:27

佐藤郷士館。
ああ、確かにそんな名前でした。
この音楽も聞いたはず。
一週間の滞在中、二三度生きましたから。
萬鉄五郎展をやっていったような。

写真もいいですね。

 ああ、ここはすっかりもとの通りだ。
 木まですっかりもとの通りだ。
 木は却って小さくなったやうだ。

投稿者 mishimahiroshi : 2010年10月10日 21:21

 signaless さん、mishimahiroshi さん、ありがとうございます。

 ほんとに私としては、歌い継いでほしいような曲なのですが、地元ではどうなんでしょうね。
 さいわい、私はこの間あの辺をウロウロしているうちに、花巻市役所や岩手県県南広域振興局・花巻総務センターの方などに知り合いもできたので、訊いてみたいと思います。

 それから私のブログやツイートが、mishima さんの貴重な花巻体験をあたためるささやかな機縁となっているのでしたら、本当に幸いです。

   あゝ、あの中に私や私の昔の友達が居ないだらうか・・・。

投稿者 hamagaki : 2010年10月11日 00:19

はじめて書き込みさせていただきます。(ドキドキ)
今年の賢治祭に行った折、「桜地人館」に行ってきました。私もこのビデオの曲に聞き入ってしまいました。そして帰り、受付の人に「お茶のんでいかない、賢治ファンの人いるから」といわれ、お言葉に甘えてごちそうになりました。やはり、賢治ファンが何人かいらしてとても楽しい時間がもてました。この曲もう一度聞きたいとおもっていたのでうれしいです。このサイト今年から読ませていただいてます。仕事から帰って、お茶をすすりながらおいしいお菓子をすこしづつ食べるように、毎日楽しんでます。ありがとうございました。

投稿者 ナオ : 2010年11月14日 20:03

 ナオ様、書き込み有難うございます。

 今年の賢治祭に行かれていたんですね。私は残念ながら行けませんでしたが、9月22日から23日にかけては、花巻にいました。

 「桜地人館」は、私が行った時はだいたい他には見学者はおられなくて、いつも誰もいないところでこの「花巻の四季」を聴きながら、詩碑除幕式のビデオを見ます。
 でもここで、賢治ファンの方々と一緒にお茶をいただくというのも最高ですね。賢治祭の当日に行ける機会があれば、私もぜひ参加させていただこうと思います。

 さて、この「花巻の四季」という歌、私は以前からほんとに好きなんです。「好き」が高じて、こんな形にまでしてしまいました。(^_^)

 今後ともよろしくお願い申し上げます。

投稿者 hamagaki : 2010年11月14日 21:09


コメントしてください




保存しますか?

(書式を変更するような一部のHTMLタグを使うことができます)



← 前の記事へ | メインページへ | 次の記事へ →