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2007年9月 9日 賢治〜佐藤惣之助〜阪神タイガース

 1924年(大正13年)4月に出版された『春と修羅』は、中央文壇で話題になることはほとんどなかったようですが、辻潤とならんで最も早期にこの風変わりな詩集を取り上げた人として、詩人の佐藤惣之助がいました。
 佐藤惣之助は、1924年(大正13年)12月刊行の詩誌『日本詩人』の、「十三年度の詩集」という一年を回顧するコラムにおいて、次にように書いています。

(前略…有名な詩人の動きについて概観したあと)
 とまあ、一口評ですませば以上である。が、僕の云ひたいのは、渡辺渡と宮沢賢治である。前述の人人は相応に評価され詩集も分布されてゐやう。しかし「天上の砂」と「春と修羅」はあまりに読まれてゐない。
 僕は再度、その二詩集を繙いた。今日の読書が収穫の喜びに代る。
(中略…渡辺の「天上の砂」評)
 それに「春と修羅」。この詩集はいちばん僕を驚かした。何故ならば彼は詩壇に流布されてゐる一個の語彙も所有してゐない。否、かつて文学書に現はれた一聯の語藻をも持つてはゐない。彼は気象学、鉱物学、植物学、地質学で詩を書いた。奇犀、冷徹、その類を見ない。以上の二詩集をもって、僕は十三年の最大収穫とする。そして僕の貧しい書架を覆して、今日は独り詩集祭を修した。よし、日もたけた。気も倦むだ。より己れに鞭打つて、裏の枯野を歩くとしやう。(十一月六日)

 また、佐藤惣之助は1928年(昭和3年)3月発行の『詩之家』においても、次のように書いています。

  「銅鑼」はよき詩人をもつ
 草野心平君の主宰する「銅鑼」はよき詩人をもつ。最近坂本遼君を出したが、まだ宮沢賢治君をもつ。同君の氷のコロナの詩を久しぶりで読むだが異色あるものだ。宮沢賢治を讃するに吝ならざれ。

 この時に佐藤が読んだ作品は、「氷のコロナ」という言葉から察するに、『銅鑼』第十三号(1928年2月1日発行)に掲載された、「氷質のジヨウ談」のようですね。
 賢治全集の「年譜」には、1926年12月に賢治が上京した際、「川崎の佐藤惣之助のもとも訪れたか。」との推定記事が記されています。詩壇における自分の数少ない理解者に、会ってみたかったのでしょうか。


 さて、佐藤惣之助は、『正義の兜』『狂へる歌』という二冊の詩集を刊行した正統派の詩人でしたが、後年には、「赤城の子守歌」や「人生劇場」など、大流行した歌謡曲の作詞者として、より知られるようになります。

 そして、彼が作詞した曲の中で、21世紀の現代に最もよく歌われている歌としては、実は「阪神タイガースの歌(六甲おろし)」があるのです。昨夜もこの歌は、関西地方を中心として、たくさんの人に歌われたでしょう。
 ということで、昨夜、阪神が今シーズン初めて首位に立ったことを記念して、この歌をアップします。歌手は、一番が初音ミク、二番が Kaito、三番がミク+Meiko+Kaito です。

「阪神タイガースの歌(六甲おろし)」(MP3: 2.87MB)

阪神タイガース                    作詞/佐藤惣之助
                   作曲/古関 裕而

一、六甲颪に颯爽と 蒼天翔ける日輪の
   青春の覇気美しく 輝く我が名ぞ阪神タイガース
   オゥオゥオゥオゥ 阪神タイガース フレーフレフレフレー

二、闘志溌剌起つや今  熱血既に敵を衝く
   獣王の意気高らかに 無敵の我等ぞ阪神タイガース
   オゥオゥオゥオゥ 阪神タイガース フレーフレフレフレー

三、鉄腕強打幾千度び 鍛えてここに甲子園
   勝利に燃ゆる栄冠は 輝く我等ぞ阪神タイガース
   オゥオゥオゥオゥ 阪神タイガース フレーフレフレフレー

written by hamagaki : カテゴリー「伝記的事項」「雑記

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コメント



こんにちは。阪神ファンなので、六甲おろしはとても好きです。甲子園で歌ったことはありませんが。
福島市にある古関裕而記念館は、駅から近く、とても充実した記念館です。福島に行く機会があれば、訪ねるとよいと思います。

投稿者 佐藤竜一 : 2007年9月14日 17:31

 佐藤竜一様、コメントをありがとうございます。北の方にも阪神ファンがいてくれるとは、心強いかぎりです。

 私も大の阪神ファンで、「六甲おろし」を聞いたり歌ったりすると、なんか「血が騒いで」しまいます。
 「Wikipedia」には、「近畿地方を中心にした西日本では、プロ野球の球団歌では収まらず大変親しまれている曲で、結婚式などの慶事の際に歌われるなど、日常生活の中で頻繁に耳にする。」との説明がありますが、私の先輩も自分の結婚式で仲間たちと一緒にこの曲を演奏したところ、会場中が大合唱になったことがありました。

 ペナントレースはまだハラハラドキドキの連続ですが、何とかセ・リーグ優勝と日本シリーズ出場を勝ち取ってほしいものです。

 「古関裕而記念館」も、ぜひそのうちに訪ねてみます。

投稿者 hamagaki : 2007年9月16日 23:03

甲子園へは一度だけ、行ったことがあります。3年半前に、母校の一関一高が春の選抜高校野球に出たので、応援に行ったのです。一回戦で敗れましたが、独特の雰囲気ですね。甲子園は。

ところで、私が関わっている岩手を楽しむポータルサイト「ずっぱり岩手」のブログコーナーでこのブログを紹介しました。
このポータルサイトが岩手情報のセンターになれればよいな、と思っています。もちろん、賢治情報も少しずつ充実させていくつもりです。

投稿者 佐藤竜一 : 2007年9月18日 13:39

 佐藤様、こんばんは。

 今日も終盤は1回ごとに胃が痛くなるような試合でしたが、最後は球児が締めてくれて、ほっと一息です。それにしても、やはり巨人戦ともなると、みんないつもより粘りが出るようですね。
 少し前までは、私も高校野球の観戦に、時々甲子園に足を運んだものでした。タイガースの応援の時のスタンドとはまた違って、すがすがしくていいものです。

 ところで、ポータルサイト「ずっぱり岩手」、拝見させていただきました。まさに、岩手の情報が、ぎっしり詰まっている感じですね。「いわてのブログ」などというところに掲載していただくとは、身に余る光栄です。
 ご紹介いただきまして、ありがとうございました。

投稿者 hamagaki : 2007年9月18日 23:08


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